悪質商法に騙された、訪問販売で思わぬ高額の契約をさせられた。こうした対応にはプロの知恵を活用しましょう。

クーリング・オフ

はじめに  

近年の複雑・多様化する取引形態により、消費者の契約意思が曖昧なまま悪質商法の甘い言葉に惑わされ、或いは詐欺や脅迫まがいの勧誘を受けて契約させられ、気が付けば高額商品を買わされるトラブルが増加しています。

  • 契約してまだ7日目なのにクーリング・オフを拒否され、代金の返還にも応じない。
  • 契約したとき、化粧品を開封され使ったので、もう解約はできないと言われた。
  • アンケートだと言って声をかけられ、喫茶店で100万円の貴金属の契約をさせられた。
  • 解約するとブラックリストに掲載すると言われた。
  • 契約書に中途解約はしないとの特約項目があり解約はできないと言われた。

等の理由で解約もできず困っている方が多くいます。貴方は困っていませんか?
これは全て嘘です。
販売業者の嘘に騙されてはいけません。
なぜ嘘なのか? 詳しくは、この続きをお読み下さい。

必要事項を故意に隠し又は嘘を言って困惑させ、或いは「不意打ち」的な勧誘を手法とする

  • 内職・モニター商法
  • 催眠商法
  • 同行型販売と呼ばれるキャッチセールス
  • 目的隠匿型呼出販売と呼ばれるアポイントメント・セールス

等の悪質商法から消費者を守るためのクーリング・オフが特別法(特定商取引法など)に規定されています。


クーリング・オフ制度の趣旨  

消費者が、一旦、契約をしてしまうと、「契約自由の原則」により民法上はその契約に拘束され解消できません。
しかし、この原則を貫くと消費者にとって非常に不利益な状況が発生します。

訪問販売等で「不意打ち」的勧誘により、その勧誘が詐欺的あるいは脅迫的勧誘であれば民法の規定により取消しや無効の主張もできますが、事業者に契約は有効だと主張された場合は、消費者が立証しなければならず、極めて大きな負担となります。

そこで、消費者を保護するため、民法のルールに優先する特別法で、一定期間内に限り、消費者に「申込の撤回権」・「契約の解除権」を与えられました。
消費者に、もう一度冷静に考える期間を与えようというものです。
これがクーリング・オフ制度です。


クーリング・オフの整備  

平成16年5月の法改正で、事業者が、内容虚偽の事実を告げ或いは威迫によって消費者が誤認・困惑してクーリング・オフをさせてもらえなかった場合は、たとえ一定期間を経過していてもクーリング・オフができるよう強化されました。

その効果は、消費者が既に商品等を受領している場合は、販売業者の負担で、その商品を引き取らすとができ、役務が既に提供されていも、その対価を支払う義務はありません。

また、消費者は、損害賠償や違約金を支払う必要はなく、既に頭金等の対価を支払っている場合は返還を要求できます。

しかし、この種の悪徳業者は必ず
 ・交付した契約書にも、中途解約はできないと明記されています。
 ・既に8日以上経過しており、クーリング・オフはできません。
 ・どうしても解約したいなら、弊社の損害に対する賠償金が必要です。
 ・納品済みの商品は返品はできません。

等と主張して、尚も消費者を騙そうとしますが、全部嘘です。
決して業者の嘘にだまされてはいけません。


契約類型別のクーリング・オフ  

現行法の契約類型別のクーリング・オフの概要は、次のとおりです。

NO契約類型権利行使期間法的根拠
訪問販売契約書面受領日から8日以内特商法9条
電話勧誘販売契約書面受領日から8日以内特商法24条
連鎖販売取引契約書面受領日から20日以内特商法40条
特定継続的役務提供契約契約書面受領日から8日以内特商法48条
業務提供誘引販売契約契約書面受領日から20日以内特商法58条
クレジット契約契約書面受領日から8日以内割販法4条
宅地・建物取引契約書面受領日から8日以内宅建法37条
海外商品先物取引契約締結の日から14日以内法8条
商品預託取引契約書面受領日から14日以内法8条
10投資顧問契約契約書面受領日から10日以内法17条
11商品ファンド契約契約書面受領日から10日以内法19条
12ゴルフ会員権契約契約書面受領日から8日以内法12条
13不動産共同投資契約契約書面受領日から8日以内法26条
14生命保険・損害保険契約契約書面受領日から8日以内保険業法309条
15小口債権販売契約契約書面受領日から8日以内法59条


クーリング・オフの方法  

  • 方法
    クーリング・オフの行使は、書面によるとしています。
    但し、最近の判例は、口頭による場合も有効と認める傾向にあります。


クーリング・オフの法的効果  

特商法に基づくクーリング・オフは、消費者保護の強行法規であり、民法の

  • 解除による損害賠償(民法545条の3)
  • 債務不履行による損害賠償(民法416条)

は適用されません。
消費者は何の負担も無く解約ができて、損害賠償等の請求もされません。


損害賠償・違約金  

消費者はクーリング・オフの権利行使をした場合は、何らの負担もなく、損害賠償又は違約金を請求されることもありません。
事業者は

  • 解除により返品された商品が使用・消費により再販売できなくなったことによる損害
  • 契約締結に使った営業費用・手続き費用

を損害賠償又は違約金その他名目の如何を問わず、消費者に請求できないのです。


原状回復費用  

クーリング・オフがあった場合、その売買契約に係る商品の引渡し又は権利の移転がなされているときは、その取引又は返還に要する費用は販売業者の負担となります。

そして、販売業者は消費者から受領した代金の返還義務があります。
この義務を拒否したり遅延させれば行政処分の対象となります。


不当利得  

商品の売買契約のクーリング・オフの場合、消費者が当該商品を使用しその利益を受けたとしても、それを不当利得として販売業者に返還する義務はありません。


(参考事例)  

訪問販売による住宅リフォーム契約の場合で、業者が価格値引きを条件に消費者から「クーリング・オフをしない」とした合意書面(特約)を提出させていたとしても、法定期間(8日)以内のクーリング・オフは有効です。

従って、消費者に代金支払義務は無く、既に工事が完了し代金を支払っていれば、その返還を求めることができます。


クーリング・オフの妨害と期間延長  

平成16年の改正で設けられた追加規定で、たとえ交付書面にクーリング・オフの記載があっても、消費者に対してクーリング・オフの行使を妨害する行為(不実を告げ又は威迫)があり、消費者が誤認又は困惑してクーリング・オフをしなかった場合は、法定期日を経過していても、消費者はいつでもクーリング・オフができることとしました。

不実の告知・威迫の事例

  • 契約した時、化粧品の一部を開封して使っているため解約できない。(不実の告知)
  • 印鑑を彫り始めたので契約を解約できない。(不実の告知)
  • クーリング・オフをするとブラックリストに掲載するぞ。(威迫)

但し、改めてその事業者が消費者に対して

  • いつでもクーリング・オフができます」旨の妨害排除のための書面を交付し、
  • 事業者が直接、その旨を口頭で説明

した場合は、その日から所定の期間を経過するまではクーリング・オフができます。
事業者には、書面交付義務だけでなく説明義務も課されているのです。


契約解除  

クーリング・オフ期間経過後の契約解除は、契約当事者間の約定に解除権の記載があれば何時で解約できます。
契約解除の定めは、申込書面・契約書面の任意的記載事項であり記載しなければなりなせん。

契約解除の内容は、消費者に不利益な特約は排除されます。
特商規則5条1項は「消費者から契約の解除ができない旨の定めが無いこと。」を要求しています。


損害賠償等の額の規制  

特商法は、クーリング・オフ期間経過後に消費者側の債務不履行で解約した場合の損害賠償額についても制限を設け、販売業者は一定額を超えた損害賠償を請求できないとし消費者を保護しています。


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