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遺言Q&A

遺言Q&A  

Q1:遺言者の死亡前に、受遺者が死亡した場合、遺贈の効力はどうなりますか  

(回答)
遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した時は、遺言の効力は生じません。''

<遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した場合>
遺言は、遺言者の死亡時にその効力が発生します。
遺言の効力発生時に受遺者が存在している必要があり、これを「同時存在の原則」といいます。

そのため、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した場合、或いは遺言者と受遺者が同時に死亡したときにも遺贈は効力を生じません。
受遺者の死亡によって遺贈の効力がなくなったときは、 受遺者が受けるはずであった財産は、 相続人に帰属します。
ただし、遺言に別段の規定があるときは、それに従います。

<遺言者の死亡よりも後に受遺者が死亡した場合>
受遺者が既に遺贈の承認をしていた場合は、遺贈が効力を生じた後に受遺者が死亡したこととなり、受遺者の相続人がその地位を承継します。

受遺者の相続人は、その相続分の範囲で遺贈の承認・放棄をすることができます。
ただし、遺言に別段の規定があるときは、それに従います。

遺言に別段の規定があるとき
遺言書に、「遺言者の死亡以前に受遺者が死亡した時は、その相続人に遺贈する」とした遺言者の意思が表明されている場合は、受遺者の相続人が受遺者となります。

しかし、これは受遺者の地位の相続を認めたものではありません。
遺言者死亡以前の受遺者の死亡を停止条件とした第二の遺言がなされているからです。


Q2:遺産分割協議が終わった後に、遺言が出てきた場合  

(質問)
遺産分割協議が共同相続人全員の合意で円満に完了しましたが、遺品を整理していたところ遺言書が見つかりました。
遺言書の内容が遺産分割協議によって成立した分割方法と異なった記載がある場合、遺産分割協議書は無効となってしまうのでしょうか?

(回答)
その遺言が有効な場合は、遺言の存在を知らずに遺産分割協議が成立したとしても、遺言に抵触する限度で遺産分割協議は無効となります。

共同相続人の中の1人でも遺言を盾に、遺産分割協議にクレームがついた場合は、改めて発見された遺言に基づき、再分割の協議を行う必要があります。

遺言の内容が、特定の第三者への「遺贈」を含む場合は、遺言者の死亡と同時に遺贈物件の所有権は受遺者に移転するため、遺産分割協議の対象から除かねばなりません。

遺言に記載されてない遺産については、相続人は「その遺言が最初から有ると分かっていれば遺言どおりにしたのに、知らなかったため遺産分割協議をした」という錯誤による協議のため無効となり、既になされた遺産分割の協議も全体として無効になり、改めて分割協議をやり直さねばなりません。

遺言が、分割協議から数年経って発見されても、遺言は時効消滅することはありません。
遺言は、法定相続分に優先するため、遺言と異なる内容の分割協議は無効になります。

 但し、共同相続人全員が、遺言と異なる遺産分割協議をそのまま納得し合意すれば、その合意が優先されます。


Q3:生前贈与に対する持戻免除の意思表示はどのようにすれば?  

(質問)
年老いて生まれたわが子のために、財産の半分を生前贈与しようと思います。
私の死後、生前贈与の持ち戻しをされないようにするにはどのようにすれば良いでしょうか。

(回答)
持戻免除の意思表示をする方法は、特に定めはありません。
ただし、持ち戻しの免除も意思表示として外部に対して法律効果を発生することを意図した行為を行うことが必要です。

意思表示は、書面でも口頭でもかまいません。
ただ、後日の紛争を避けるためには書面で意思表示すべきでしょう。
特に様式はありませんが、例えば

  • ○○に対するXXの贈与は、特別受益の持ち戻しを免除する。
  • 相続分の算定においては、○○に対するXXの贈与がないものとして算定しなさい。

等と記載して、日付・署名・押印すれば足ります。

持戻免除の意思表示は、単独行為であり、相手方の承諾を得る必要はありません。
勿論、遺言による意思表示も可能です。


Q4:二男に遺産の全てを相続できますか?  

(質問)
私は3人兄弟の長男です。
私には妻も子も無く、父母は既に亡くなっています。
私は、これまで二男夫婦の世話になってきました。
三男とは10年以上連絡も取っていません。

そのため、これまで世話になったお礼に、私の全財産を二男夫婦に相続したいのです。
しかし、相続人には遺留分があって減殺請求を主張できると聞いたのですが、三男に遺留分を主張されるとこ困りますが良い方法はありませんか?

(回答)
兄弟姉妹には「相続分」はありますが、「遺留分」はありません(民法1028条)。
従って、三男は遺留分を主張できません。

貴方の遺言がなければ、法定相続分に従えば、貴方の遺産は二男と三男が各2分の1の相続分で相続することになります。

しかし、兄弟姉妹には「遺留分」は認められていないため、貴方が遺言書で「私の遺産の全てを二男に相続させる」と書き残しておけば、三男の相続分はありません。
二男に全て相続することができます。


Q5:遺言で生命保険金の受取人を変更できますか?  

私は生命保険の受取人を妻にしていますが、長男に変更したいと思っています。
遺言で保険金の受取人の変更ができるでしょうか?

(回答)
保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができます。

これまでは、保険金受取人変更が遺言事項として明記されてなかったため、学説・判例が分かれていましたが新保険法(平成20年6月6日公布、平成22年4月1日施行)第44条で、
「保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。」
とされました。
なお、遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人が、その旨を保険者に通知しなければなりません。

(遺言による保険金受取人の変更)
第四十四条  保険金受取人の変更は、遺言によっても、することができる。
2  遺言による保険金受取人の変更は、その遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければ、これをもって保険者に対抗することができない。




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