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遺産分割の対象

遺産分割協議の対象となる財産の範囲  

遺産分割は、相続開始後、共同相続人の共同所有に属している相続財産を、各相続人に分配分属させる手続ですから、その対象となる財産の範囲は、相続性を有する一切の権利義務です。
(一身専属的な権利義務を除く)

しかし、「相続の対象となる遺産」「遺産分割協議の対象」ではありません。

例えば、「可分債権(預・貯金)」や「金銭債務」がそうです。
遺産分割協議を待つまでもなく、相続開始と同時に各相続人の法定相続分に応じて当然に分割されます。


1.現金と金銭債権(預・貯金)  

被相続人が有していた「現金」も「金銭債権」も共に相続財産ですが、現金と金銭債権では法律上の扱いが異なります。
<現金>
現金は、動産や不動産と同様に遺産分割の対象になります。
そのため遺産分割の手続が必要です。

【判例】東京高判 昭和63年12月21日 
現金は、被相続人の死亡により他の動産、不動産とともに相続人らの共有財産となり、相続人らは、被相続人の総財産(遺産)の上に法定相続分に応じた持分権を取得するだけであって、債権のように相続人らにおいて相続分に応じて分割された額を当然に承継されるものでない。


<金銭債権>
預・貯金などの金銭債権は、遺産分割を待つまでもなく相続開始と同時に各相続人の法定相続分に応じて当然に分割されます。
原則、遺産分割の対象外です。

但し、共同相続人全員の合意があれば遺産分割の対象としても良いとしています。
実務上は、相続人間で合意があれば遺産分割の対象としています。

【判例】(東京高決 平成14年2月15日)
預貯金は、当然には遺産分割の対象となるものではなく、相続人間において、これを遺産分割の対象とする旨の合意があって初めて遺産分割の対象とすることができる。

従って、この合意が無い限り、預貯金は遺産分割協議を待つまでもなく、相続開始と同時に当然に分割される。


2.金銭債務  

相続人は金銭債務も相続により、その義務を承継します。
判例は、一貫して遺産分割の対象ではないとしています。
各相続人の法定相続分に応じて、当然に包括承継します。
実務上も、同様に扱われています。

「金銭債務のような可分債務は遺産分割を経ることなく、相続分に応じて各共同相続人が承継する(最判昭34.6.19)」


3.相続財産から生じた果実および収益  

相続開始後の家賃収入・利息・配当金等の法定果実は、本来は相続財産そのものではなく、遺産分割の対象外です。
従って、各相続人が相続分に従って取得します。
尚、当事者の合意があれば相続財産に加えることが出来ます。

原則的には、訴訟手続によるべきであるが、当事者間に合意があれば、相続財産と一括して遺産分割の対象とすることができるとする見解が裁判例の主流を占めています。
(東京高判昭56.5.18、東京高判昭63.5.11)


4.代償財産  

相続財産を構成する建物が火災で焼失し、火災保険金が支払われたり、相続人の1人が他に売却して、その代金が支払われる場合等、本来の姿を代えた財産(代償財産)として存在する場合があります。

原則として、遺産分割の対象外です。
但し、当事者全員の合意があれば、遺産分割の対象とすることができるとしています。


5.死亡退職金  

通常、死亡退職金は法律等で受給権者が定めてあるが、これは遺族の生活保障として定めている。従って相続財産とすべきでなく、遺族固有の権利と解するのが妥当と考える。

受給権者固有の権利であって、相続財産に包含されない。(最判60.1.30)


6.遺族年金  

恩給法・厚生年金保険法・国家公務員共済組合法等によって、誰がその年金を受け取ることができるか定めて有り、その受取人固有の権利であって、相続財産の対象外です。

相続財産とすべきでなく、遺族固有の権利と解するのが妥当と考える。)


7.生命保険金  

  • 保険金の受取人が特定されている場合(例えば、妻あるいは夫)
    この場合は、生命保険契約は第三者のためにする契約であるから、受取人が生命保険金請求権を自分の固有の権利として取得する。
    従って、この場合は相続財産に含まれない。
  • 保険金の受取人を単に相続人とした場合
    この場合の表示は、保険契約者の相続人たるべき個人を表示するものに過ぎず、相続財産に含まれない。

しかし、その額が大きく相続人間の衡平を欠く場合は、その調整方法として持ち戻した判例もある。また、持ち戻しの対象とされた場合は、当然、遺留分算定の基礎財産に算入され、滅殺の対象となる。



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