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告訴・告発

告訴・告発に関するご相談は、村上法務事務所へ!

告訴と告発  

秋

告訴とは  

犯罪の被害者その他一定の者(告訴権者)が、捜査機関に対して、犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示をいいます。(判例・通説)
親告罪の場合は、次の要件を満たす必要があります。

  • 犯罪事実の申告があること。
  • 犯人処罰の意思表示があること。
  • 親告罪の場合は、犯人を知った日から6ヶ月経過してないこと。


告発とは  

犯人以外の第三者が捜査機関に対して犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示をいいます。(ちなみに、犯人自身が申告するのは自首です。)
次の要件を満たす必要があります。

  • 犯罪事実の申告があること。
  • 犯人処罰の意思表示があること。
  • 告発人は実在する人物であること。

告訴と告発の違い  

告訴も告発も、捜査機関に対して犯罪事実を申告して、犯人の処罰を求める意思表示であり、捜査の端緒となるという点では同じですが、主体が異なります。

告訴の主体は、被害者又はその法定代理人等、刑事訴訟法に定める告訴権者です。
告発の主体は、告発権者及び犯人以外の第三者です。

告訴と告発の大きな違いは、親告罪の場合は、告訴が訴訟条件となることです。
親告罪の場合は、たとえ犯罪構成要件を満たしていても、告訴権者の告訴が無い限り犯人を訴追できないのです。


親告罪  

親告罪とは告訴権者の告訴がなければ公訴提起(刑事裁判をすること)ができない犯罪で、刑法上の親告罪は、次の2種類に分類されます。

(1)絶対的親告罪  

常に告訴が訴訟条件となる次の犯罪をいいます。
/書開披罪(刑法133条、135条)
秘密漏泄罪(刑法134条、135条)
6制わいせつ罪(刑法176条、180条)
そ犇制わいせつ罪(刑法178条、180条)
ザ姦罪(刑法177条、180条)
準強姦罪(刑法178条、180条)
Ф姦未遂罪(刑法179条、180条)
┣畆砂害罪(刑法209条1項、同2項)
略取誘拐罪(刑法224条、225条、229条) 
略取幇助罪(刑法227条、229条)
同未遂罪(刑法228条、229条)
但し、これらの罪を営利目的から犯した場合は非親告罪となる(229)
名誉毀損罪(刑法230条、232条)
侮辱罪(刑法231条、232条)
私用文書毀棄罪(刑法259条、264条) 
器物損壊罪(刑法261条、264条)
或書隠匿罪(刑法263条、264条)

(2)相対的親告罪  

通常は親告罪ではないが、犯人と被害者とが親族関係のある場合に限り、告訴条件となる次の犯罪をいいます。
\狹雕瓠雰宰。横械犠髻ぃ横苅款髻
不動産侵奪罪(刑法235条の2,244条)
詐欺罪(刑法246条、251条)
そ犧承什瓠雰宰。横苅珪髻■横毅云髻
ザ桶綺瓠雰宰。横苅江髻■横毅云髻
η愬ず瓠雰宰。横苅珪髻■横毅云髻
РN虜瓠雰宰。横毅仮髻■横毅犠髻
╋般馨絏N痢雰宰。横毅馨髻■横毅犠髻
遺失物横領(刑法254条、255条)

特別法で親告罪とされるものは、著作権などの侵害罪(著作権法)・特許権などの侵害罪(特許法)・実用新案などの侵害罪(実用新案法)等があります。

親告罪の設定趣旨  

  • 被害者の意向を尊重しているもの(強姦罪・強制猥褻罪など)
  • 罪質が軽微で、被害者の意向如何では、特に国家が犯罪として取り上げる必要がないもの(侮辱罪・名誉毀損罪・器物損壊罪など)
  • 家族間の問題で、国家権力の介入を適当としないもの(親族相盗)


告発が訴訟条件とされる犯罪  

特定の官公庁や公的機関のなす告発または請求が訴訟条件とされていて、それなくしては起訴できない犯罪がある。

  • 独占禁止法第89条・同91条の罪(公正取引委員会の告発を待って、これを論ずる。)
  • 公職選挙法253条1項の罪(選挙人等の偽証罪)
  • 関税法の反則事件(関税法弟140条1項)
  • 労働関係調整法第39条の罪

等がある。


告訴権者  

被害者(刑訴法230条)  

名誉毀損罪における名誉を毀損された者のように、直接被害を受けた者です。
告訴権者は自然人・法人・法人格のない社団・財団も含まれます。
告訴権者は1人とは限らず、被害者が複数の場合は、独立して告訴権を有する。

被害者の法定代理人(刑訴法231条)  

被害者が未成年者の場合は親権者(民法818条)又は未成年後見人(民法839条)、被害者が成年被後見人の場合は成年後見人。
親権者・後見人は、本人の意思とは独立して告訴ができます。

死者の配偶者・直系親族・兄弟姉妹(刑訴法231条)  

被害者の法定代理人は、独立して告訴をする事が出来る。
被害者が死亡したときは、其の配偶者、直径の親族又は兄弟姉妹は、告訴をする事が出来る。但し、被害者の明示した意思に反する事はできない。

被害者の親族(同法232条)  

被害者の法定代理人が被疑者である時、被疑者の配偶者である時、又は被疑者の四親等内の血族若しくは三親等内の姻族である時は、被害者の親族は、独立して告訴をする事ができる。

死者の親族・子孫(同法233条)  

死者の名誉を毀損した罪については、死者の親族又は子孫は、告訴をすることができる。
名誉を毀損した罪について被害者が告訴をしないで死亡したときも、前項と同様である。但し、被害者の明示した意思に反することはできない。

検察官が指定した者(刑訴法234条)  

親告罪について告訴できる者がない場合には、検察官は、利害関係人の申立により告訴する事ができる者を指定する事が出来る。


告発権者  

刑訴法第239条は、

何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

と規定しています。

犯罪ありと思料するときは、誰でも告発をすることができます。
国家公務員・地方公務員は、職務を行う上で犯罪があると思料するときは、告発する義務が生じます。(第239条2項)

ただし、告発が訴訟条件となっている罪の場合は、私人の告発は捜査の端緒に過ぎず、訴訟条件を満たすことはできません。(独禁法、関税反則規定、議員証言法等)


告訴・告発の期間制限  

告訴の期間(刑訴法235条)  

  • 親告罪の告訴は、犯人を知った日から6箇月を経過したときは、これをすることができないとされ、6ヶ月経過後の告訴は無効です。
  • 「犯人を知った」とは、判例は、犯人の住所、氏名などの詳細を知る必要はないが、犯人の何人たるかを特定しうる程度に認識する必要があるとしている。

告発の期間  

告発期間の制限は、特にありません。
公訴時効が完成するまで、いつでも告発することができます。

代理 行為  

代理人による告訴(刑訴法240条)  

刑事訴訟法240条は

告訴は、代理人によりこれをすることができる。告訴の取消についても、同様である。

としており、告訴権者から代理権を授与されれば、誰でも代理人として告訴をすることができる。

  • 代理人となるには、告訴権者から委任を受けることが必要です。
  • 告訴状を代理人が作成する場合、まず、告訴人に上申書を書いて貰い、上申書に基づき告訴状を作成します。
  • 告訴状を捜査当局に持参する場合は、告訴人も同行します。

代理人による告発  

告発は、代理はできません。


告訴・告発の方法  

告訴・告発の方式  

刑訴法第241条
1.告訴又は告発は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にこれをしなければならない。

2.検察官又は司法警察員は、口頭による告訴又は告発を受けたときは調書を作らなければならない。

口頭でも可能ですが、通常は告訴状・告発状によります。
基本的には、誰を、どの犯罪事実で処罰してほしいのか明示する必要があります。
犯罪事実と、犯人の処罰を求める意思があれば、告訴の効力は有効です。
犯人の特定までは必要とされておらず、その氏名・住所が不詳でもかまいません。

告訴・告発状の書式等  

一般に告訴・告発状の書式に法定の定めはありません。
しかし、告訴・告発が訴訟条件となっている場合は、検察官は訴訟条件の立証のため、告訴・告発状が必要であり、一定の様式を定めています。
すなわち、

仝務員が国又は地方公共団体を代表して告訴・告発をする場合、作成年月日・所属官公署を表示し、作成者が署名押印します。
告訴・告発状が数ページに渡るときは、一枚ごとに割り印をします。

文字を加入・削除した時は、その部分に押印をし、加除した数字を上欄に記入し、削除した文字は読み取れるように残しておきます。

公務員以外の者が告訴・告発状を作成する時は、年月日を記載し、作成者が署名押印します。
代書者による場合は、代書した理由と代書者の署名押印を必要とします。


告訴・告発の効果  

告訴・告発を受理した司法警察員には、

司法警察員は、告訴又は告発を受けた時は、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。(刑訴法242条)

司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。(刑訴法246条)

事件の送付を受けた検察官には、

検察官は、告訴・告発又は請求のあった事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかに其の旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。公訴を取り消し、又は事件を他の検察庁の検察官に送致したときも同様である。
(刑訴法260条)

検察官は、告訴・告発又は請求のあった事件について、公訴提起をしない処分をそた場合において、告訴人・告発人または請求人の請求があるときは、速やかに告訴人・告発人または請求人にその理由を告知しなければならない。(刑訴法261条)

と義務が課されています。
この点でも、告訴・告発は、単なる被害届(犯罪事実の申告者)とは異なります。


検察審査会とは  

検察審査会は、検察官の公訴権の執行に関して民意を反映し、その適正を図るために設置されるものです。

検察官が公訴提起(起訴)しなかった場合に、不起訴処分の妥当性を判断するものです。(検察審査会法1条)

告訴した場合に、検察官がその事件を不起訴処分したことに納得できない場合は、検察審査会に対して申立てをすることができます。
ただ、検察審査会が、起訴相当、不起訴不当という判断をしても、検察官を法的に拘束するものではありません。


告訴・告発の取消 

告訴の取消し  

告訴は、公訴の提起があるまでこれを取り消すことができます。
親告罪の告訴を取消した場合は、更に告訴をすることができません。(刑訴法237条)
非親告罪の場合は適用されず、何時でも再度、告訴できる。

告発の取消し  

告発は、公訴提起後であっても取消しが許される。(関税法違反・独禁法違反を除く)
取消し後の再告発もできる。


告訴不可分の原則  

親告罪の告訴の効力として、告訴不可分の原則があり、客観的不可分と主観的不可分があります。

  • 客観的不可分
    一個の犯罪事実の一部について、告訴又はその取消があったときは、その犯罪事実の全てに効力が及ぶとする原則です。
  • 主観的不可分(刑事訴訟法238条1項)
    親告罪について、共犯者の1人又は数人に対して告訴又はその取消があった場合は、他の共犯者に対してもその効力が生ずる。という原則です。
    告訴は、犯罪事実に対して訴追を求めるものであって、特定の犯人の処罰を求めるものでないからです。


告訴受理の基準  

捜査機関は捜査に投入できる人員に限りがあるため、起訴が見込め、且つ、捜査経済を考慮して規模が大きい事案を優先的に受理します。

また、告訴・告発人が、犯人の処罰意思より経済的被害の回復に機軸を置く場合は、捜査に着手後、示談解決される可能性があり捜査を躊躇させます。

更に、捜査機関は、告訴・告発を受理する場合は、刑事事件として成立し立証可能か否か、告訴要件(形式的要件)と疎明資料(実質的要件)が十分か判断されます。

告訴要件(形式的要件)とは、  

  • 告訴人が告訴権者(第230条以下)であること。
  • 公訴時効(第235条)が完成してないこと。
  • 既に処分がなされた事実についての告訴でないこと。
    更に親告罪の場合は、
  • 告訴期間内の告訴であること。
  • 以前に取消された再告訴でないこと。
    といった形式的要件が必要である。

実質要件としては  

  • 犯人処罰の意思があること。
  • 犯罪事実が特定されていること。(犯罪構成要件該当事実を明らかにすること。)


告訴・告発注意事項  

犯罪構成要件  

詐欺・横領・背任事案は、被告訴・告発人の行為や結果だけでは犯罪構成の確認はできません。
被告訴人・被告発人にもそれなりの言い分があることは珍しくないからです。
犯罪構成要件の十分な調査と検討、証拠資料の収集が必要です。

刑事と民事の区分  

財産犯の場合、告訴・告発人は、当然、犯人の処罰と並んで被害回復を求める。
但し、民事紛争を自己に有利に解決する手段としての告訴・告発は捜査機関の受理を躊躇させます。
少なくとも、告訴・告発人には、犯人が起訴されるまでは示談にも応じないくらいの気構えが必要です。


不当な告訴・告発  

合理的な根拠によらない、単なる憶測に基づく告訴・告発は許されない。
民事紛争を有利に解決する意図、嫌がらせ、私怨をはらす等の不純な動機が介在してはなりません。

虚偽告訴罪(刑法第172条)  

人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3月以上10年以下の懲役に処する。

本罪が成立するためには、申告事実に虚偽があることの認識を要し、その認識について判例は、「未必の認識でも足りる。」としています。
実際に虚偽告訴罪で処罰されるのは、明白な悪意が有る場合です。

損害賠償責任  

告訴・告発人が、犯罪の嫌疑について相当の客観的根拠があることを確認せずに告訴・告発した場合は、過失による不法行為(民法709条)に該当し、損害賠償請求される危険性があります。
〜犯罪を疑うに足りる相当な状況が存在すれば不法行為は成立しない。〜


告訴事実の例文  


名誉毀損罪  

<告訴事実>
被告訴人は広島県広島市東区戸坂新町4−4(株)○△商事の会計を担当しているものであるが、2007年10月10日同事務所金庫から現金500万円が盗難した事件について、2008年3月3日洗面室内で同僚数名がいる前で、先の盗難事件は同会社清掃員の村上陽一(告訴人)が盗んだものであると、なんら確信がないのに公然事実を指摘して告訴人の名誉を傷つけたものである。

<適用罰条>
刑法第230条 (名誉毀損)
1.公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

2.死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ罰しない。

刑法第230条の2(公共の利害に関する場合の特例)
1.前条第1項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

2.前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。

3.前条第1項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

(注意点)

  • 公然となした状況を明らかにする。
  • 被告訴人が、確実な資料や根拠に基づき事実が真実であると誤信するような場合、または公益目的などにより事実が真実である時は、名誉毀損罪は成立しないため「なんら確信がないのに」と記載する。

<ポイント>
「公然」とは、不特定又は多数人が知りうる状態にあること。
したがって、小数人であっても不特定なら成立する。

判例は、特定の小数人に対しても事実の伝わる可能性があれば公然性を認めている。

「公然事実」とは、人の社会的評価を害するものでなければならない。


侮辱罪  

<告訴事実>
被告訴人は、2008年3月3日広島県広島市戸坂新町3−3 県立文化会館における広島県会議員選挙の立会演説会において、1000人の聴衆の面前で「村上陽一は間が抜けている、とろい、役立たずだ」などと放言し、告訴人を侮辱したものである。

<適用罰条>
第231条(侮辱)
 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

(注意点)

  • 侮辱罪も公然性が要件であるから、具体的に場所、相手、態様などを記載する必要がある。

<ポイント>
事実の摘示の有無に係わらない点で、名誉毀損罪と異なる。


信用毀損罪  

<告訴事実>
被告訴人は広島市東区内で印刷業を営んでいるが、告訴人村上陽一の経営する同業の○△印刷の信用を失墜させようと企て、2008年3月3日に同区戸坂本町4−4 戸坂区立集会場で開かれた商店街組合の総会の席上「○△印刷は資金繰りに困っている、何時倒産してもおかしくない」などと嘘偽りを述べ、告訴人の信用を失墜させたものである。

<適用罰条>
刑法第233条(信用毀損及び業務妨害)

虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

(注意点)

  • 信用毀損の内容を具体的に記載する。
  • 虚位の風説流布の内容は、不特定又は多数人に伝わるものであれば良く公然性は必要ありません。
  • 本罪の成立には被告訴人が事実に反するものであることを知っている必要がある。また、その内容は被告訴人が他人から聞き知ったものでも良い。

<ポイント>
「虚偽の風説」とは、虚偽である事の認識を伴った事実と異なった噂である。
「流布」とは、不特定又は多数人に伝える行為である。
「毀損」とは、他人の信用を低下させる虞のある状態を生じさせる事で、現実に低下させる必要はない。

[添付]

詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪  

<告訴事実>
被告訴人は、告訴人村上陽一から金員を騙取しようと企て、2007年3月3日「在宅でできる仕事があります。月に数十万ぐらいになります。ついては広島県広島市幟町4−4のホテル「○△プラザ」において説明会を行いますので是非主席してください」と前もって電話をし、同年3月13日同ホテル呼び出し、やってきた告訴人に対し「仕事は必ずあり、仕事の依頼を受けるには会員になり仕事を覚えてもらわねばならず、そのための機器を200万円で購入しなければならない」という。不況で失業し、なんとか仕事を得たいと思っていたので200万円のローンを組み機器を購入し仕事の依頼を待っていたが一向にきません。後で分かったのですが、単に機器(時価20万円程度)を購入させるためのもので、同様の被害が多数出ているそうです。

<適用罰条>
第246条(詐欺)
1.人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

第246条の2(電子計算機使用詐欺)
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。

第248条(準詐欺)
未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、10年以下の懲役に処する。

第250条(未遂罪)
この章の罪の未遂は、罰する。

(注意点)

  • 詐欺罪の成立には欺罔により、相手が錯誤に怠ることを要する。本件の場合は、被告訴人は初めから仕事を斡旋するつもりはなく、単に、機器(時価20万程度)を売りつけるためだけのもので、結果的に告訴人は錯誤しているといえる。

<ポイント>
詐欺とは、人を騙して財物を騙取する行為である。
騙取とは、騙された者の錯誤による処分により財物を騙し取る事である。


横領罪・業務上横領・遺失物横領  

<告訴事実>
被告訴人である弁護士田中一郎は、2007年1月1日告訴人である村上陽一から債務整理の依頼を受け、返済金500万円を受け保管中、被告訴人である弁護士田中一郎自らの借金の返済に当てるため、2007年1月2日、広島市内の金融業者に上記金員を渡し横領したものである。

<適用罰条>
第252条(横領)
1.自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する。
2.自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。

第253条(業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、10年以下の懲役に処する。

第254条(遺失物等横領)
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。

第255条(親族相盗の準用)

第244条の規定は、この章の罪について準用する。

(注意点)
横領罪には1.単純横領罪 2.業務上横領罪 3.遺失物横領罪がある。
1,2,3とも、告訴人の占有に属しない(被告訴人の占有に属し、告訴人の占有は侵害しない)財物を被告訴人が不法に取得する罪である点は同じだが、1と2は告訴人と被告訴人の間に委託信任関係があるが、3にはそれがない場合である。

<ポイント>
本罪の占有は、窃盗罪のように事実的支配に限らず、法的支配を含む。例えば、銀行に自分の金を預け入れた者が、預け入れた金を横領する事も可能である。
なぜなら、預け入れた金は、銀行の所有に属するが、占有は預金者にあるから。


背任罪  

<告訴事実>
被告訴人は2000年3月から2008年5月までの間、広島市中区紙屋町1−2の○△銀行紙屋町支店支店長として同支店の金融業務全般を統括する地位にあり、○△銀行のために業務を遂行する任務を有していたのであるが、2000年10月2日同支店支店長室において、株式会社広島商事代表取締役広島太郎に対して、回収の見込みがない事が明白なのに関らず、広島太郎の利益を図るために、○△銀行の支店長としての任務にそむき、広島太郎に対して、広島銀行が保有する現金1億円を○△銀行紙屋町支店名義で貸付け、よって○△銀行に1億円の財産上の損害を与えたものである。

<適用罰条>
第247条(背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

第250条(未遂罪)
この章の罪の未遂は、罰する。

(注意点)

  • 背任罪は、委託物横領罪と同様、背信行為により財産上の損害を与えるものですが、他人のために事務処理をする者が、自己又は第三者の利益を図る目的をもって、あるいは本人に財産上の損害を与える目的をもって、任務にそむく行為をし、よって財産上の損害を与える事が要件です。
  • そこで「他人のために事務処理をするもの」とは、他人との委任関係により、一定の注意を持って、その他人の事務を代わって処理する法的義務を有する者です。

夕暮れ


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