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相続・遺言

遺言は今から早めに準備を!!  

桜

相続問題は誰もが一生に一度はぶつかる問題です。
通常は親が亡くなり相続が起きるというケースで、一生のうちに何度もありません。
相続には遺言の有無が相続開始後の遺産分割に大きく影響します。

夫の死後、夫の嫁が再婚もせず同居の義父が亡くなるまで介護に尽くしても、義父の遺言が無ければ嫁の献身的な努力が報われないことになります。

遺言は、貴方が平素お世話になっている方のために、今から準備しても決して早すぎることはないのです。


相続とは  

民法896条は「相続人は、相続開始の時から被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。但し被相続人の一身に専属したものはこの限りでない。」と規定しています。

つまり、相続は「財産相続」に限定されます。
戦前に存在した長男が「戸主」の身分を相続するようなことは無いのです。

そして相続人は一切の財産(権利義務)を相続します。
現金や動産・不動産といったプラス財産(積極財産)だけでなく、借金・買掛金の支払義務、保証債務の請負義務などのマイナス財産(消極財産)もセットで相続することになります。

但し、被相続人の年金請求権・扶養請求権等「一身専属権」は相続できません。
一身専属権とは、被相続人(死亡した人)だけが享有・行使できる権利です。


相続の開始時期はいつから?  

民法882条は「相続は死亡によって開始する。」と規定しています。
相続の開始は、被相続人が死亡と同時に共同相続人がその持分に応じて相続します。
遺産分割は、その後のことです。

死亡とみなされる場合  

次の失踪宣告が出された時は、死亡とみなし相続を開始できます。

  • 普通失踪(蒸発等)=7年以上所在不明の場合、家庭裁判所に申請。
  • 特別失踪(戦争等)=危難が去って1年以上生死不明の場合、家庭裁判所に申請。

同時に死亡したときの相続は?  

死亡の時期に関して問題となるのは、親と子、或いは夫婦が、同一の交通事故等で死亡し、死亡時間の先後が不明の場合です。

例えば親が子より先に死亡したのであれば、死亡した子は親の財産を相続できるので、子の配偶者や孫が親と子の両方の財産を相続できます。

一方、子が先に死亡し配偶者や孫がいない場合は、子の財産を親が相続し、その親の死亡により親の親(祖父母)或いは親の兄弟が親の配偶者と一緒に相続することになります。

このトラブルを解消するため、昭和37年に「同時死亡推定」の規定が設けられています。
同時死亡と推定し、死者間での相続は発生しないとされたのです。(32条の2)


相続の対象となる財産は?  

遺産分割をするには、相続財産の洗い出しが不可欠となります。
マイナス財産がプラス財産を上回る場合は相続権を放棄すべきだし、不明の場合は限定承認する必要があるからです。

相続できない権利  

次のものは被相続人の「一身専属権」に該当し、相続の対象にはなりません。

  • 扶養請求権
  • 離婚に伴う財産分与請求権(但し、分与請求した後に死亡した場合は相続できます。)
  • 生活保護法による保護受給権
  • 著作人格権(公表権・氏名表示権)
  • 身元保証債務


マイナス財産  

  • 身元保証債務でも、損害が発生し、その損害額が確定した身元保証債務は、普通の金銭債務に転化しており、相続の対象になります.
  • 継続取引に設定される根保証の場合は、民法は「保証人が死亡したときに元本が確定する。」としています。(465条の1)


相続するための手続きは?  

単純相続  

自分が相続人となったことを知ったときから3ヶ月間何もしなければ単純相続となり、消極財産(プラス財産)・積極財産(マイナス財産)の全てを相続することとなります。
この3ヶ月間は、「熟慮期間」です。
それ以外に

  • 相続財産の一部又は全部を無断処分した場合
  • 相続放棄・限定承認した後に相続財産の一部又は全部を隠匿した場合

も単純承認したことになります。
その後は、取消(撤回)はできません。


限定承認  

プラス財産の限度内でマイナス財産の相続をするものです。(民922条)
この申立は、相続人が複数いる場合は、全員が共同してせねばなりません。
相続があったことを知った日から3ヶ月以内に財産目録を作成し、家庭裁判所に申立てるのです。


相続放棄  

相続放棄をする場合は、この3ヶ月間(熟慮期間)以内に家庭裁判所で相続放棄の申述を要します。(民938条)
相続放棄の結果、その相続人は最初から相続人でなかったことになります。
従って、相続放棄をした者の子は代襲相続もできません。


法定相続とは  

わが国は、「私有財産制度」と「法定相続」の双方を採用しています。
自分の所有する財産は生前であろうと死後であろうと自由に処分できるのが私有財産制度の原則です。
しかし、だからといって残された家族の生活を無視できません。
そのための根拠規定が「法定相続」です。

すなわち、被相続人が遺言を残して死亡した場合は、遺言のどおりの相続が行われます。
但し、相続財産の一定部分は「遺留分」として家族のために確保せねばなりません。

遺言を残さず死亡した場合は、「法定相続」によります。
法定相続は、遺言の無い場合の補助的な相続方法なのです。


法定相続人とは  

民法では、家族共同体の構成員を中心に、相続人になる者の順位と範囲を次のように決めています。

  • 配偶者は相続順位に関らず常に相続人となります。

第一順位:子(死亡していれば孫)です。  

  • 実子と養子を問いません。
  • 胎児も出生すれば相続人となります。
  • 非嫡出子でも認知を受ければ相続人となりますが、相続分は嫡出子の半分です。

第二順位:直系尊属(父母・祖父母)です。  

  • 養父母、養祖父母も相続人となります。

第三順位:兄弟姉妹です。  

  • 被相続人の死亡時、既に兄弟姉妹は死亡している場合は、その子(甥・姪)が親に代わり代襲相続します。


  • 第一順位の相続人がいなければ、第二順位が相続人となり、第三順位は相続できません。
  • 第一順位・第二順位の相続人がいない場合は第三順位が相続します。
  • 第三順位の相続人もいない場合は、配偶者が全てを相続します。


法定相続 

共同相続人が被相続人の財産を相続する割合を「相続分」と言います。
遺言が無い場合は、次の法定相続分により遺産分割がされます。

  • 相続人が「配偶者」と「子」の場合の相続分は、配偶者が二分の一、子が二分の一
  • 相続人が「配偶者」と「直系尊属(父母)」の場合は、配偶者が三分の二、父母(養父母を含む)が三分の一
  • 相続人が「配偶者」と「兄弟姉妹」の場合は、配偶者が四分の三、兄弟姉妹が四分の一


遺留分  

遺留分とは、上記法定相続人のうち第一順位(子)と第二順位(父母・祖父母)の相続人にのみ認められた必ず残しておくべき一定の相続財産の割合のことです。
第三順位(兄弟姉妹)には遺留分ありません。

法は遺言による死後の財産処分を認めているため、「アカの他人の△△に全財産を譲る」という遺言を書くことも可能です。しかし、それでは残された家族は取り分ゼロとなり、こうした行き過ぎた遺言は残された家族の悲劇を防ぐため、一定の歯止めを設けており、それが「遺留分」の制度です。
遺留分の割合は以下の通りです。

  • 相続人が配偶者のみの場合=財産の二分の一
  • 相続人が子のみの場合=財産の二分の一
  • 相続人が親のみの場合=財産の三分の一
  • 相続人が配偶者と子の場合=財産の二分の一(配偶者が四分の一、子が四分の一)
  • 相続人が配偶者と親の場合=財産の二分の一(配偶者が六分の二、親が六分の一)

遺留分を侵害した遺言が行われた場合は、侵害された者は、遺留分を侵害して遺贈を受けた者に対して「遺留分減殺請求」をすることができます。


遺留分減殺請求権とは  

遺留分を侵害された法定相続人が、その事実(遺留分減殺請求できる事実)を知った日から1年以内に、遺留分を侵害して行われた受遺者又は受贈者に対して、侵害された相続分の返還請求をする権利です。
この意思表示により、遺留分減殺の効力が発生し、受遺者又は受贈者の権利は効力を失います。
遺留分減殺請求の方法は、意思表示のみで良く、通常は内容証明郵便で通知します。

遺留分の基礎となる財産
=(被相続人が相続開始時に有した財産の価額)+(贈与した価額)−(債務の全額)
です。

贈与した価額とは、「相続開始前1年以内になした贈与」です。
但し、当事者が遺留分侵害事実を知って贈与をした場合は、1年以上前の贈与額も加算されます。


遺言による相続  

  • 遺言によって財産を相続人或いは相続人以外の者に与えることを「遺贈」と言い、受ける者物を「受遺者」と言います。
  • 生前に自分が死亡後に財産を贈与するという契約(死因贈与)をすることもできます。
  • 双方の違いは、受贈者の承諾を要するか否かという点です。


内縁の妻の相続権は?  

内縁関係とは、夫婦の実態(結婚する意志と夫婦共同生活をしている事実)があるのに婚姻届を出してない夫婦を言います。
わが国では法律婚主義をとっており、結婚する意志と婚姻届の受理という2つの要件を備えないと法律上夫婦とは認めませんが、準婚(法律上の夫婦に順ずる関係)として保護する傾向にあります。
尚、結婚する意思の無い同棲や愛人関係は、内縁関係ではありません。

基本的に内縁の配偶者は相続が認められませんが、次の場合に限り相続類似を認めています。

1つは、誰も相続人がいない場合です。
被相続人と特別の縁故関係にあった者は、家庭裁判所に申立て、相続財産の全部又は一部を請求できます。(民958条の3)

特別縁故者とは、

  • 被相続人と生計を一にしていた者
  • 被相続人の療養看護に努めた者
  • その他被相続人と特別の縁故のあった者

であり、内縁の配偶者はここにいう特別縁故者に該当します。

もう1つは、内縁の夫婦が借家契約を締結している場合で、内縁の一方が死亡した場合です。
被相続人に相続人がいない場合は、その同居者が権利を承継できます。(借地借家法36条)


特殊なケースでの子供の相続  

離婚した夫婦間の子供  

離婚した夫婦間の子供は、どちらに親権があろうと親子関係は切れないため、相続権があります。 [#n23ad0e5]
但し、非嫡出子の場合は認知があれば嫡出子の相続分の二分の一の相続分を有すが、認知が無ければ相続権は発生しません。

養子縁組  

養子は、法律上は嫡出子と同じ順位で等分に相続され、実親との間にも親子関係があり、養子は養親と実親の両方の相続権を持ちます。
但し、特別養子の場合は実親との親子関係が終了するため、実親の相続権はありません。


取り分を変える寄与分と特別受益  

寄与分  

寄与分は昭和55年の民法改正の時、新たに設けた制度で、被相続人の財産形成に寄与した相続人と他の相続人との公平を保つために認められた取り分です。

寄与の代表的なものは、次のとおりです。

  • 被相続人の家業(農業・商工業等)に無報酬で従事し、財産の維持・増加に寄与
  • 被相続人の事業の借金を返済して事業の維持発展に寄与
  • 長期療養中の被相続人の看護に努め、付添人などの費用を免れ財産維持に寄与

寄与分は、遺産分割協議で決めます。
まとまらない場合は、家庭裁判所の審判で決めます。


特別受益者  

特別受益者とは、被相続人から婚姻の持参金・新築資金・大学の学資等の生前贈与を受けている者です。

これを相続開始の時の時価で評価して相続財産に加え、その上で法定相続分(遺言による指定相続分があればこれによる。)に従って各自の相続分を算出します。

生前贈与を受けている者は、その贈与額を差し引きます。


相続資格の剥奪  

法定相続人は、必ず相続人になれる訳ではありません。
「相続欠格」および「相続人の排除」に該当すれば、相続人の資格が剥奪されます。
但し、その者の子は代襲相続人として相続できます。


相続欠格  

相続欠格の該当条件として民法は、次の5つの欠格事由を挙げています。

  • 故意に被相続人または相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡させ、又はさせようとしたため刑に処せられた者
  • 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者
  • 詐欺又は脅迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取消し、またはこれを変更することを妨げた者
  • 詐欺又は脅迫によって、被相続人に相続に関する遺言を撤回させ、取消させ、又は変更させた者
  • 相続に関する被相続人の遺言書を偽造・変造・破棄、または隠匿した者


相続人の廃除  

遺留分を有する推定相続人が、被相続人を虐待をし、若しくは重大な侮辱を加えたとき、または推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができます。(民法892条)


遺産分割協議  

被相続人が亡くなると、被相続人が所有していた財産は、相続財産となり(民法898条)、この共有財産を共同相続人の全員が話し合いによって具体的に誰が何を相続するかを決めるための協議が遺産分割協議です。

相続人の一人を除外したり、相続人以外の者を参加させた場合は無効となります。

非相続人が遺言を残し「○○の土地は△△に」などと個別具体的に相続方法が定めてある場合は、これに従った遺産分割が行われ、遺産分割協議で決める必要はありません。

但し、遺言によって相続分の指定が行われた場合は、遺産分割協議によります。

遺産分割は、相続人全員の共有財産を分割する訳ですから、全員が納得すれば、遺言による指定相続分や法定相続分とは異なっても有効です。

但し、民法906条は、財産に属する物または権利の種類および性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態および生活の状況、その他一切の事情を考慮して遺産分割しなさいとしています。

つまり、被相続人が町工場を経営し、長男が手伝っていたのであれば、工場を残す方向で話し合うべきであり、相続に似障害者がいればそれも考慮した話し合いをしなさいということです。

遺産分割の話し合いがまとまれば遺産分割協議書を作成し、全員が署名と実印押捺をして印鑑証明を添付します。
遺産分割協議書は、後日のトラブルを未然に防止するほか、不動産の相続登記にも必要です。

遺産分割協議できない場合は、家庭裁判所にい遺産分割の調停・審判を申し立て、判断を仰ぎます。




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