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通信販売

通信販売とは  

特商法第2条2項は

通信販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が郵便その他の経済産業省令で定める方法(以下「郵便等」という。)により売買契約又は役務提供契約の申込みを受けて行う指定商品若しくは指定権利販売又は指定役務提供であって電話勧誘販売に該当しないものをいう

と定義し、「郵便等」について経済産業省令(特商規2条1〜4号)は

  • 郵便又は新書便
  • 電話機、FAX装置、その他の通信機器又は情報処理の用に供する機器を利用する方法
  • 電報
  • 預金又は貯金の口座に対する払込み

と規定しています。


通信販売の特質  

通信販売とは、一般的にホームページやテレビ・雑誌・カタログなどを見た消費者が、販売業者にインターネット・電話などで注文をするだけで、遠隔地でも居ながらにして商品が手元に届くメリットがある反面、詐欺的なホームページの構成等によって消費者の誤解や勘違いを誘発し、トラブルも多発しています。

そこで、特商法は通信販売を行う事業者に一定の広告義務等を課しています。


特商法11条(条文)  

販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、当該商品若しくは当該権利又は当該役務に関する次の事項を表示しなければならない。
ただし、当該広告に、請求により、これらの事項を記載した書面遅滞なく交付し、又はこれらの事項を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)を遅滞なく提供する旨の表示をする場合には、販売業者又は役務提供事業者は、経済産業省令で定めるところにより、これらの事項の一部を表示しないことができる。

一 商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)
二 商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法
三 商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
四 商品の引渡し又は権利の移転後におけるその引取り又は返還についての特約に関する事項(その特約がない場合には、その旨)
五 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

2 前項各号に掲げる事項のほか、販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって経済産業省令で定めるものをいう。以下同じ。)により広告をするとき(その相手方の求めに応じて広告をするとき、その他の経済産業省令で定めるときを除く。)は、経済産業省令で定めるところにより、当該広告に、その相手方が当該広告に係る販売業者又は役務提供事業者から電磁的方法による広告の提供を受けることを希望しない旨の意思を表示するための方法を表示しなければならない。

特商法12条(条文)  

販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の指定商品若しくは指定権利の販売条件又は指定役務の提供条件について広告をするときは、当該商品の性能又は当該権利若しくは当該役務の内容、当該商品の引渡し又は当該権利の移転後におけるその引取り又はその返還についての特約その他の経済産業省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。


通信販売の取引主体  

  • 取引主体は、「販売業者」又は「役務提供事業者」です。
  • 取引の相手方は、訪問販売取引の相手と同様「購入者若しくは役務の提供を受ける者」たる「消費者」です。

取引の客体  

取引方法  

以下の方法を利用して購入者等から売買契約等の申込を受け又は契約を締結した販売業者等は特商法の適用をうけることとなります。

〕絞悄新書便による方法
経済産業省令による「その他の方法」

  • 電話機などの機器を利用する場合
  • 電報による方法
  • 預貯金口座払込みによる方法


広告規制  

表示義務  

特商法(11条)および特商規は、販売事業者・役務提供事業者が、指定商品指定権利の販売や指定役務の提供条件を広告する場合は、次の表示義務を付けています。

  • 特商法11条の表示義務
商品若しくは権利の販売価格又は指定役務対価
商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払時期及び方法
商品の引渡時期若しくは権利の移転時期又は役務の提供時期
商品・権利の移転後におけるその引取り又は返還についての特約事項
  • 経済産業省令(特商規8条1項)の表示義務
販売事業者又は役務提供事業者の氏名・名称、住所、電話番号
法人で電子情報処理組織を使用して広告する場合は、その業務責任者の氏名
申込みの有効期限があるときは、その期限
前記1の金銭以外に購入者が負担すべき費用がある場合にはその額と内容
商品に隠れた瑕疵がある場合の販売業者の担保責任
PCを使用する場合は、電子計算機の仕様及び性能、その他必要な条件
商品の販売数量の制限等、特別の条件があるときには、その内容
カタログや説明書を請求した者に金銭を負担させるときは、その額
販売業者等が電子メールにより広告をする場合に表示すべき事項


表示の一部を省略できる場合  

広告とは別に、消費者からの請求により上記の表示内容を記載したカタログ・ちらし等の書面を交付する旨の表示がある場合には、広告の記載事項である上記の表示の一部を省略できます。(11条1項但し書)


電磁的方法による広告  

主に電子メールによる広告に該当しますが、事業者は相手方の請求に基づかない広告を行う場合は、表題分に「未承諾広告」と表示しなければなりません。
また、今後、広告の提供を受けることを希望しない旨の意思表示をするための方法(たとえば、配信停止希望者は○○までなど)も表示しなければなりません。(11条2項)


誇大広告の禁止  

特商法12条は、消費者をミスリードするような誇大広告を禁止しています。
誇大広告が禁止される広告事項は次のとおりです。

禁止事項  

‐ι覆亮鑪燹性能・品質・効能、サービスの種類・内容・効果、権利の種類・内容、その権利に係るサービスの種類・効果(特商規11条1号)

⊂ι覆琉渡しまたは権利の移転後におけるその引取り、又はその返還についての特約(12条)

商品・権利・若しくは役務、販売事業者若しくは役務提供事業者又は販売業者若しくは役務提供事業者の営む事業についての国、地方公団、通販協会その他の著名な法人、その他の団体又は著名な個人の関与(特商規11条2号)
 例:経済産業省公認、文部科学省推薦、東京都認可など

ぞι覆慮胸挫麓磴靴は製造地、標章又は製造者名(特商規11条3号)

テ綻λ‖茖隠云鯊茖厩牾胴罎坊任欧觧項(特商規11条4号)


禁止される表示  

つぎの2点を禁止されます。

  • 著しく事実に相違する表示
  • 著しく優良・有利であるかのような誤認を招く表示

(3)禁止違反の効果  

  • 違反者は、100万円以下の罰金


特商法第13条(条文)  

“稜箒伴塰瑤鰐鯡劃鷆〇業者は、指定商品若しくは指定権利又は指定役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みをした者から当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供に先立って当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領することとする通信販売をする場合において、郵便等により当該商品若しくは当該権利又は当該役務につき売買契約又は役務提供契約の申込みを受け、かつ、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領したときは、遅滞なく、経済産業省令で定めるところにより、その申込みを承諾する旨又は承諾しない旨(その受領前にその申込みを承諾する旨又は承諾しない旨をその申込みをした者に通知している場合には、その旨)その他の経済産業省令で定める事項をその者に書面により通知しなければならない。ただし、当該商品若しくは当該権利の代金又は当該役務の対価の全部又は一部を受領した後遅滞なく当該商品を送付し、若しくは当該権利を移転し、又は当該役務を提供したときは、この限りでない。

販売業者又は役務提供事業者は、前項本文の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、当該申込みをした者の承諾を得て、当該通知すべき事項を電磁的方法その他の経済産業省令で定める方法により提供することができる。この場合において、当該販売業者又は役務提供事業者は、当該書面による通知をしたものとみなす。


前払式通信販売  

前払式通信販売とは、その名の通り購入者が商品を受取るより先に事業者に料金を支払う通信販売システムのことです。

このシステムの特徴は、事業者は確実に料金を回収できますが、購入者(消費者)側は実際に目的の商品が届くまで不安定な状態に置かれ、場合によっては商品が来ないなどの被害を被る恐れがあります。

実際、トラブルは急増していますが、この前払式通信販売を採用するしないは、最終的に事業者の判断に任されています。

そこで、消費者保護を図るため、特商法では事業者に書面又は電磁的方法による通知義務を課しています。(13条)


前払式通信販売の法律関係  

通信販売の法律関係は、

  • 広告・宣伝が「申込の誘引」
  • 購入者の申込が「売買契約の申込」
  • 商品の発送が「売買契約の承諾」

と構成されます。
この場合の売買契約等は、事業者が承諾の通知を発した時に成立します。(民法526条)

承諾の通知を発せず放置し「相当の期間」が経過した場合は、その申込は効力を失います。(商法508条1項)

後払式通信販売であれば問題ありませんが、前払式通信販売では消費者の法律的立場を不安定にし、利益を損なう危険性が高いため、代金の全部又は一部の受領後、遅滞無く、「書面」又は「電磁的方法」による通知義務を付けています。


通知の内容  

前払式通信販売における販売業者又は役務提供事業者の通知内容は次のとおり。
1.顧客からの申込みを「承諾する旨」又は「承諾しない旨」

2.代金等の受領前に顧客からの申込を承諾する旨又は承諾しない旨を通知している場合は、既に通知している旨

3.販売事業者又は役務提供事業者の氏名又は名称、住所及び電話番号

4.受領した金銭の額及びそれ以前に受領した金額があるときは、その合計額

5.金銭を受領した年月日

6.申込を受けた商品名・数量又は権利若しくは役務の種類

7.申込をするときは、その商品の引渡時期、権利の移転、役務の提供時期

  • 罰則:特商法13条の通知を怠った違反者は、100万円以下の罰金


クーリング・オフ制度  


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